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zoom RSS 「太陽にほえろ!」人気刑事一位はスコッチだった。彼が抱える心の闇と、優しさへの葛藤に誰もが共感した。

<<   作成日時 : 2013/03/04 17:19   >>

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以前、VAPが「太陽にほえろ!」をLD化する際、ファンに好きな刑事のアンケートを取ったところ、ジーパン、マカロニ、殿下、ゴリさんを抜いて、スコッチが一位になっていた。(DVDになった今でも、スコッチ編が売れているらしい)

今は無きニールセンでは42.5%で、(ビデオリサーチでは37%)「太陽ほえろ!」の最高視聴率とされている伝説の殉職編「テキサスは死なず!」から一週間後、「スコッチ刑事登場」は全くドラマのイメージが変えてしまった。

演じるのは沖雅也。「太陽…」五年目にして初めての既成スター俳優による新刑事加入だった。


<ストーリー>

テキサスが壮絶な最期を遂げた後、城北署から七曲署へ、ダンディでクールな刑事・滝隆一がやってきた。

三つ揃いの背広に身をかため、一分のスキもない身のこなし、全身から英国の香りを漂わせる彼につけられた愛称は、スコッチ。

三年前、彼は、自分が犯人を撃つことを一瞬ためらったばかりに、隣にいた先輩刑事を死なせてしまった。

それ以来、彼は人が変わったようになり、拳銃乱用・命令違反・人権蹂躙と、懲戒免職寸前の札つき刑事になっていた。

それまでは「優しすぎるほど、気持ちの優しい刑事(ボス談)」であったらしいが、当時付き合って婚約までしていた女性とも別れ、「刑事が犯罪者から身を守るには、撃たれる前に撃つこと」という過酷な信条を身にまとった、冷酷非情な一匹狼へと変貌していく。

そんな滝を藤堂刑事(石原裕次郎)は立ち直らせようと七曲署に引き取った。

だが、やがて、着任後わずか半年で、やはり拳銃使用の必然性を、西山七曲署長(平田昭彦)に問題視され、他署に転属されてしまう。


「スコッチ刑事登場」で、テーマ曲と共に現れた滝隆一(スコッチ)。

のっけから、新宿中央公園歩道橋からの3メートルジャンプをスタントなし、カメラの切り替えなしの長回し、おまけに三揃いのスーツに革靴、着地場所はアスファルトという、圧倒的なアクションで決めた。


【僅か半年間の快進撃】

マカロニ・ジーパン・テキサスなども、それまでの若手刑事は在籍期間が短い人でも1年間あったが、この当時のスコッチは僅か半年の出演であり歴代刑事の中でも最短である。

この出演期間はスコッチの登場が決定した段階からすでに決まっていた。

理由は二つ。

一つは当時の沖雅也が半年以上のレギュラー出演はしないという活動スタンスであった事。

もう一つは、スコッチの人物設定では一年は持たないだろうというスタッフサイドの見解によることからである。

半年間という限られた話数の中で、二枚目刑事である殿下とと対立させる話(第218話「殿下とスコッチ」)や、かって殺してしまった先輩刑事が汚職をしていた事を知る「疑惑」(225話)、女性とのからみがある(第242話「すれ違った女」など)などシリーズとしての組立を考えた上で製作されたという。

降板後、ゲスト出演を挟み、レギュラーで復活〜殉職の道を辿るが…

やはり、冷酷非道だったスコッチが、七曲署の刑事達に囲まれ、計算されたエピソードを散りばめながら、次第に人間らしさを取り戻すストーリー展開が秀逸の前期は白眉。

平均視聴率もニールセンでは、スコッチ時代が35%前後と、ずば抜けていた。


【ボスとスコッチ】

「太陽にほえろ!」は、'86年11月14日に、一四年四ヶ月にも及ぶ歴史の幕を閉じるのだが、この最終回「そして又、ボスと共に」は病気療養中だったボス=石原裕次郎の四ヶ月振りの復帰作であり、(おそらく)石原裕次郎最後のドラマ出演である。

その中で石原は、重傷を負って監禁されているブルース(澤村誠/又野誠治)の居場所を聞き出すため、犯人の妹を自ら取り調べるシーンを「全くのアドリブで演じ切った」ということはかなり有名な逸話である。

「もう、何年になるかな、僕の子分に、背の高い、少しキザな、スコッチっていう男がいてね(中略)…口の回りを真っ赤にして死んでいった。」

「太陽にほえろ!」のメインテーマの集大成ともいえる、人の命の尊さを訴えるこの大事な場面で、自身も大病と闘っていたボス=石原裕次郎は、『何故、11人もいる殉職者の中からスコッチ=沖雅也だけを選んで語り続けたのか?』。

共演者も、スタッフも、そして我々ファンもその心情が分かりすぎるほど分かるだけに、より一層万感胸に迫るシーンとなっている。

『太陽にほえろ!』の最終回で見せた石原裕次郎のアドリブ。

…それは朽ちてゆく自分の生命へのレクイエムと、残された命の尊さについてだった。

最終回のあらすじ―――

容疑者を追跡したまま行方をくらませたブルース刑事(又野誠治)は、どうやら彼を恨む男(遠藤憲一)に撃たれ、重傷のまま監禁されてるらしい。

手がかりがつかめず苦悩する代理ボス・橘警部(渡哲也)。

そこでボス・藤堂係長(石原裕次郎)が4ヶ月ぶりに戻って来る(渡と最後のツーショット!)。

何人もの部下を殉職させた責任を背負い続けてるボスは、「もう誰も死なせたくない」という強い意志で、自ら犯人の妹を尋問します。

しかしその妹は、兄をかばって口を割ろうとしない。

先に尋問して怒りを露わにしてたトシさん(地井武男)を追い出したボスは、穏やかに「恐いオジさんだよねぇ」とか言って、妹をリラックスさせると、トシさんが忘れて行った煙草を見つけるんです。

「実は数年前に心臓を切る大手術をしてね。お医者さんには止められてるんだけど、ちょっと1本だけ吸っちゃおうかな?」

恐らく「煙草を使って何か話すよ」程度の打ち合わせだけで、ここから先は裕次郎さんの完全なアドリブが始まる。

実は「太陽にほえろ!」の中では、ボスがそんな大手術を受けたなんて設定にはなってない。

完全に裕次郎さん自身の話になっちゃってるんだけど、我々視聴者の中じゃボスと石原裕次郎がもはや一体化してるから、違和感無く見れてしまうんです。

看護婦をしてるその妹の制止も聞かず、実に旨そうに煙草を吸うボス。

「これまで、何人もの部下を死なせて来ましたよ。君も、看護婦だから、人の死をたくさん見て来ただろう?」

そしてボスは、スコッチ刑事(沖雅也)の思い出と、その死について語り出す。

なぜスコッチなのか? 

それは多分、あの時点で唯一、実際に演じ手が亡くなってるのがスコッチ=沖雅也さんだったから。

それも、自ら生命を断つという形で。

そして、石原裕次郎本人が、「自分が病に冒され余命いくばくもない事」を知っていて、「スコッチがかって受けた弾丸の傷が悪化して病死するという設定」と、重ね合わせたのもあるでしょう。

「生命ってのは何ものにも換え難く、そしてこう…重い。今また一人、俺の部下が、かけがえの無い生命を落とそうとしてる……部下の生命は、俺の生命……もう、誰も死なせたくないんだ。」

そしてボスは、名残惜しそうに煙草をもみ消し、「お兄さん、どこにいる?」と静かに問う。

妹は素直にその場所を白状し、ブルースは無事、救出されるのでした。

この取り調べシーンは5分以上あったと思いますが、完全ノー・カットの長回しで、それ以外の場面はかなり刈り込まれたらしく異常なほどハイテンポになってました。

やっぱり最後まで、主役はあくまでボス。

石原裕次郎あっての『太陽にほえろ!』なんです。

裕次郎さんは、それから1年後に帰らぬ人となってしまいました。

実際、この『太陽にほえろ!』最終回が、裕次郎さんの遺作になったんです。

だからと言え、この最終回で見せたアドリブが遺言の代わりだなんて意識は御本人には無かったのでしょうか。

生命の尊さを描く事こそが『太陽にほえろ!』の15年間を貫く不変のテーマであり、ボスの言葉はまさにその集大成。

本当に見事な、素晴らしい最終回だったと思います。

「太陽にほえろ!」第718話(86/11/14放送)

『そして又、ボスと共に』

脚本・峯尾基三
監督・鈴木一平
視聴率・17.3%

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